仙界/双竜 > 二頭の竜 
-- Update :2003-10-09 --
15年前 / 白竜、黒竜
「ねえ黒、下界ってどんなとこ?」
「どうした?また唐突に」
「黒、よく行ってるよね。そんなにおもしろいとこなの?」
「んー……まあ、退屈はしないわな」
「白もね」
「うん?」
「行ってみたい。下に」
「…………本気か?」
「うん」
「―――ちょっと待て。大体お前、なんでそんな事いきなり……」
「いきなりじゃないよ。ずっと下におりてみたいっておもってた」
「………」
「黒ばっかりずるい。白だって行きたいもん」
「ずるいとかそういう問題じゃねえだろ、俺とお前じゃ状況が違いすぎるし……
 第一お前、上空うろつくだけですぐ毒気に中てられてるじゃねえか」
「このままだとむりだっていうなら、人間になる」
「………………」
「前にね、白の血あげたヒトがいたよね」
「……ああ、あったなそんな事も」
「あそこの血の中にね、生まれるの。そしたら白でも生きていけるとおもうんだ」
「―――お前が考えてるほど楽しい事ばっかじゃねえんだぞ」
「うん」
「それどころか苦しい事の方が多いかもしれねえんだぞ?」
「うん、わかってる」
「…………。好きにしろよ。そんなに行きたいってんなら、止めやしない」
「へへ。ありがと、黒」
白竜が地上に降りるのを決めた時。
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