環南/マフィア > 終幕 
-- Update :2003-08-10 --
2年後位 / [ガルス] 月璃
神様の声が聞こえた

その苦しみから解き放ってやろう と、声は言った

神の誘惑か死神の慈悲か

それは神々しく力強く、否定を赦さない声だった



何度も何度も聞こえるその声から

足掻き続けていたかった

この苦しみが永遠に続いてもいいから

生きて、いたかった



別の人生を歩みたかったとは思わない

この身体でしか、出会えなかった人が居る 見えなかったものもある

血反吐を吐きながら、思うように動かない身体を引き摺りながら

それでも止まる事なんてできなかった

自分がそこに在るという痕跡を、少しでも残すために



どんなに苦しくたって構わない

楽になりたいなんてこれっぽっちも思わない

生きていたい

せめてもう少しだけでも、生きていたい

ぼろぼろになっても、感覚が失くなってしまっても構わないから



まだやり残した事が沢山ある

言ってないことだって山ほどあるのに

この白すぎる腕は、もう何も掴めない

目もだんだん霞んできて、ぼんやりとしか見えない

ただ終わりに向かって刻々と時は流れてゆく



もう眼を開けてるのも億劫だけど

でもどうしても伝えなくちゃいけない言葉がある

全然足りないけど

せめて、一言だけでも―――
月璃死亡直前時。
Copyright (C) 2020 kohituji. All Rights Reserved.