現在 / クローディア、ソロ
体内の焦燥感はじりじりと増大している。
幾度となく味わってきた、渇き。
生きるための本能とはいえ、憂鬱にならざるを得ない。
本来ならば積極的に愉しんでもいい筈のこの行為を、躊躇してしまうのは罪深さからか背徳感ゆえか。
瞳の色が金を帯びてきているのが解る。
それはきっと相手の男も気付いている筈で、分かっていてこちらの反応を愉しんでいる。
襟元を開き薄い笑みを浮かべる。誘っているのだ。
奪う側はこちらの方で立場としても優位であるというのに、何故これ程までに敗北感を味わわなければならないのか。
まだ大丈夫。堪えられる。ぎりぎりまで挑発に乗ってなどやらない。
この精一杯の抵抗は、譲ることのできない尊厳なのだ。
不意に首筋を掴まれ、強く引かれる。
無言の攻防に飽きたか痺れを切らしたか、男は自分の胸に引き寄せそのまま押し付けた。
甘い香りが鼻孔をくすぐり、その瞬間、ぷつりと理性の糸が切れる音がした。
ああ、もうどうでもいい。
抗い切ることが出来ないのは、最初から分かりきっていた。
諦念と恍惚と拒絶と歓喜と、様々な感情に揉まれながら、男の首筋に牙を立てた。
たぶん毎回勝手に勝負している。
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