フィル・ディア/羽人魚 > it's a small world 6
-- Update :2006-07-10 --
現在 / キリエ、月璃
どこに居るのかも分からず。
例え居場所を見つけても、出て行ったらきっと迷惑に思われる。
じっとしているのにも耐えられなくて飛び出してきたけど、その先のことは何も思いつかなかった。

「それじゃあ諦めるの?」
「―――。
 分かんない、どうしたらいいのか」

忘れなくちゃいけないのかもしれない。
きっぱりと別れを告げてきた以上、彼にもう会う意志は無いのだろう。

「でも…できない、そんなこと。
 忘れたくない。そんなのできっこない」

「ならいいじゃん。好きでいればさ」

あまりにあっさりと言われ涙を溜めたままの目で相手を見返すと、苦笑ぎみにくすりと笑われる。

「忘れられないのもキツいけど、無理に忘れようとするのも……結構キツいもんだしね。
 どっちにしろ辛いなら、納得いくまで好きで居続けるってのもアリ、なんじゃない?」



………そっか。
難しく考えることなんてない。答えはこんなにも簡単なんだ。

例えばあのときの彼の言葉が嘘偽り無い真実で、
本当に嫌われちゃったんだとしても

あたしが彼を好きってことに、変わりはないんだ。


「…忘れてなんて、あげないんだから」

彼が意地悪なのは今に始まったことじゃない。
最初から、いつだって、あたしの思い通りになんてなりはしなかった。
その度に泣かされていたけれど、でもその分惹かれていって
いつのまにかこんなにも―――



 ねえショウくん、知らないでしょう
 あたしがどれだけあなたのこと好きか
 次に会ったら
 …もし会うことができるなら
 今度こそ絶対、思い知らせてやるんだから
了。
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