現在 / キリエ、月璃
どこに居るのかも分からず。
例え居場所を見つけても、出て行ったらきっと迷惑に思われる。
じっとしているのにも耐えられなくて飛び出してきたけど、その先のことは何も思いつかなかった。
「それじゃあ諦めるの?」
「―――。
分かんない、どうしたらいいのか」
忘れなくちゃいけないのかもしれない。
きっぱりと別れを告げてきた以上、彼にもう会う意志は無いのだろう。
「でも…できない、そんなこと。
忘れたくない。そんなのできっこない」
「ならいいじゃん。好きでいればさ」
あまりにあっさりと言われ涙を溜めたままの目で相手を見返すと、苦笑ぎみにくすりと笑われる。
「忘れられないのもキツいけど、無理に忘れようとするのも……結構キツいもんだしね。
どっちにしろ辛いなら、納得いくまで好きで居続けるってのもアリ、なんじゃない?」
………そっか。
難しく考えることなんてない。答えはこんなにも簡単なんだ。
例えばあのときの彼の言葉が嘘偽り無い真実で、
本当に嫌われちゃったんだとしても
あたしが彼を好きってことに、変わりはないんだ。
「…忘れてなんて、あげないんだから」
彼が意地悪なのは今に始まったことじゃない。
最初から、いつだって、あたしの思い通りになんてなりはしなかった。
その度に泣かされていたけれど、でもその分惹かれていって
いつのまにかこんなにも―――
ねえショウくん、知らないでしょう
あたしがどれだけあなたのこと好きか
次に会ったら
…もし会うことができるなら
今度こそ絶対、思い知らせてやるんだから
了。
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