竜の使者・ライカ誕生の経緯

語りライカ,ラキアス

「ライカ」という存在が生まれたいきさつなど。


若い竜王は、政策として人間側との和平を目論見ますが、それには当然大きな障害がありました。
反対意見を抑えるという目的もあり、人間側の姫君と自らの婚姻を提案します。
とはいうものの、自分も人間のことは遠目に見るくらいであまり詳しいというものでもなく、人間の生活ぶりがどういったものかには興味がありました。
人間側に、最初に和平交渉に赴く時、自分も出ていくつもりでしたがそれには反対されてしまいました。
威厳ある(少なくともそう思わせるべき)竜王が自らのこのこ出向くものではないと。
それなら竜王とは名乗らず、ただの一般人の使者の一員としてならどうかと食い下がり、どうにか人間側への使者団に潜り込みます。
使者としてならこれからも好きな時にほいほい出掛けられ、我ながら名案だとか思ってたりしました。
竜王が使者として潜り込むということは極身近な側近のみが知っており、他の人たちには「竜王の近親の者」という風に伝えられました。
顔を見たことある人だとアレ?って思ったかもしれませんが、そこは「よく似てるって言われてるんですよ」とかなんとか言ってごまかしてたり。
内心ばれていたとしても、公にならなければ別にそれでよいのです。
一応とはいえ、正体を隠しているので偽名を使わなくてはなりません。
「自分であって自分でない」「もう一人の自分」という意味で、双児の片割れが使っていた「ライカ」という幼名を使うことにしました。
知識として人間側のことは知っていても、実際に中に入るのは初めてのことです。
自分たちと全く違う暮らしぶりには大変興味を覚えました。
今でも時間があればちょくちょく視察(という名目の物見遊山)しています。
姫君に対しては、最初顔を見るだけの予定だったのに、ウッカリ完全に接触してしまいました。
当初取引の相手としか思っていませんでしたが、いつの間にか彼女に会うためだけに時間を作ったりする始末。
自分の蒔いた種とはいえ、偽りの姿で居ることで今後さぞかし苦労することでしょう。