9年前 11歳 法術師としての仕事始める 5年前 15歳 鳳桐家、鬼による襲撃。家族死亡。里を出奔 3年前 17歳 小葉と出会う
架柊が持ち出した宝具・蒼孔雀は、実のところ妖刀だったりします。 その刀身で斬った鬼の力を取り込み、自らの力とするのです。 刀が作られた当初はそれ程扱いの難しい代物ではありませんでした。 倒した鬼の数が増えていくにつれ、刀は次第に力を増してゆきます。そしてより強い力を求め、自らの力に見合うだけの力量を持った使い手しか受け入れなくなってしまいました。 生まれ持った天性の才能・研ぎ澄まされた技術・多彩なセンス…それら全てを持ち合わせた真の天才。それが、蒼孔雀に認められる必要最低限のラインだったのです。
近年では架柊の祖父の、さらに二代前の当主。その人が使い手でした。 蒼孔雀は使い手が居ないとその鞘を抜きません。 架柊の祖父は幼い頃に一度だけ、当主が宝具を使うところを目にしました。 そしてそれ以来蒼孔雀の信奉者になったと。 自身は使い手にはなれず、そして息子にも孫にもその素質はありませんでした。
架柊には才能・技術共にあったのだけれど、使いこなせるだけのセンスが備わっていなかった。 それが、鬼の呪いを受けた事により開花したというか。 元々野心とかはそんなに無い人でした。 生まれたときからほぼ決められた人生。強くなるという目標はあったけれど、それは漠然としたものでしかなく。 鬼の呪いを受けた事により、彼にはその鬼を倒すという確固たる目的ができました。そのためには強くならなければいけない。それも、生半な強さでは意味が無い。 何しろ相手は、その当時架柊が知っている中で一番強かった父親すらも、容易に討ち取ってしまうほどの強さ。 鬼の力との相乗効果もあり、彼の感覚はこれまでになく鋭利に研ぎ澄まされ。 そうして蒼孔雀は、架柊を使い手として認めたのでした。