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人間として歩き出す前は、央連の半妖として生きていた。 人から蔑まれ疎まれそれでもなお、人を愛さずにはいられなかった半妖。 それは彼女が彼女である前から定まっていたこと。
どれほど痛めつけられても傷つけられても、決して憎むことはしなかった。むしろできなかった。 それでもそんな生の中、彼女のことをちゃんと見て愛してくれる人も居た。 しかしそれも永くは続かない。 彼女は人の手によってさらにぼろぼろにされてしまう。
いつしか心は壊れていってしまう。 愛というモノが一体なんだか判らなくなってしまう。
時は流れ、一人の人物と出会ったことにより彼女は人間として新たな道を歩みだす。
しかし再び得た生の始まりは、今までと大して変わりのないものだった。 実験体として扱われ、彼女の人権などどこにも存在しない。 すでに壊れきった心ではもはや何も感じなくなってしまっていたけれど。
そんな中の小さな出会い。 自分を友達だと言ってくれる人。 自分に興味を持ってくれる人。 壊れきった心が少しずつ、カタチを取り戻してゆく。
今では家族とも呼べる仲間たちも居る。 自分は此処に居ていいのだと笑ってくれる。 何かできるようになると、手放しで褒めてくれる。 何もできない自分のためにあれこれ世話を焼いてくれる。
役に立ちたいと、未来に向かって彼らの夢のために何かしたいと思うようになった。