環南・ガルス辺りを中心に、全世界各地を飛び回っている一族。 マフィアってなことで裏社会において結構な地位にあります。 財力・人脈・情報収集力がまたスゴイ。 かなりあくどい事まで手を出してます。武器密輸・人身売買・暗殺業元締めみたいなんまで。
黒々とした一族でありますが、彼らが此処まで力をつけてきたのには理由がありまして。 ここの血族は遥か遠い昔に竜の血を受け継いだ…といわれております。 そのせいで直系血筋には昔から異能力を持つ者を多々生み出してきました。マナの千里眼、月璃の式使いがこれに当たります。 これらの力を使って彼らの祖先は確かな基盤と財力を築き上げてきたのです。 今ではこの異能力は昔よりも減ってきたものの、彼らの重要な鍵であることに変わりは無く。
人の血が濃くなってきたことにより、力は次第に薄くなってゆきます。 傍系は仕方が無いにしても、直系はその血を絶やす訳にはいきませんでした。 だから彼らは近しい血族間の婚姻も繰り返してきました。 お陰で千年以上経った現在でも血は途切れることはありませんが、その代償として体に障害を持つ者も高い頻度で現れるようになってきました。 マナとマナの母親と、現在の長の三番目の子供・月璃がそうです。
マナの母親は前長の長子でしたが、この障害により幼い頃からほとんど幽閉状態とも言える生活を送ってきました。 そこをある時イズルビの人に連れ出されます。この人がマナの父親ですが。 連れ出された時に一族はまあ一応は探しましたが、彼女をほとんど重要視していなかった為に血眼になって…という風ではなかった模様。 そしてしばらく後にマナが生まれ、その後間もなく母親は亡くなります。 父親はマナを連れてあちこち転々と。 一族はマナの存在も彼女の千里眼の力も知らなかった訳です。 そしてノルフィスまで来た訳ですが、そこで運悪く一族の傍系に出くわしてしまいます。 此処がまた直系からは遠く端も端の方。 マナの存在と彼女の力を知った彼らは、彼女を取り込み利用しようと目論みます。 無論彼女の力で存分に美味い汁を吸うのも忘れずに。 捕らえた当時はまだ幼かったけれど、いずれ彼らの内の人間と婚姻を…みたいなことも考えていたかと。
それを知ったのが、マナのイトコにあたる月璃でした。 マナと1つしか年も違わないのだけれど、こっちは人間社会の裏ッ側を小さい時から散々見せられてきました。だから世渡りも上手い上手い。 自分と似た境遇のマナの母親、彼女のことを気にかけていた月璃は、十前後の頃から一族が見放していた彼女の痕跡をひたすら辿っていました。 一族が誇るネットワークを存分に活用して。 そして従妹の存在も知った訳で。 月璃としてはマナを守りたかった。 だから暗黒教団に接触しました。傍系組織から彼女を逃がすために。 暗黒教団を選んだのは、以前ちょっとした繋がりの有った花栄さんが居たから……ということで。
月璃はこの家族があまり好きでない。 家族の情愛なんてものは殆ど経験しておりません。 月璃が今比較的自由に動けるのは、「竜の力」を持っているため。これが無ければマナの母親と同じようにきっと軟禁状態にあっただろうと。 今現在竜の力を持っているのは月璃とマナのみです。隔世遺伝のようで。 本来なら力を持っていると言うことはそれだけでファミリーでも重要な位置を占めるはずなのだけど。 月璃には子を残す力が無いから。さらに言うと大人になれる確率っていうのも非常に小さいし。 だから月璃の立場ってのは非常に微妙な位置にあります。
実家に居たころも、ほとんど家族と顔を合わせる機会はありませんでした。まあそれは月にとってはありがたいっちゃぁありがたいのだけども。 家を出ている今でも、年に2、3回は帰らなくちゃいけません。(年の初めとか父親の誕生日とか) そのことが月にはとても苦痛。 あの場所にはどうせ自分の居場所なんてものは無いに決まってるから。