まだ生まれる前の話。彼の母親は崖から落ちかけた仔猫を救おうとして転落し、臨月間近だったお腹の中の赤ん坊は危うく死にかけた。偶然通りかかった一人の魔女の手により、同じく瀕死の怪我を負った仔猫と魂を融合することで辛うじて命を取り留める。 生後すくすくと元気に育ったが、仔猫と二人で一つの魂を共有しているため、互いに強く影響を受け合っている。その影響の一端として幼い頃から強い凶暴性が有り、周囲のものを傷つける事もしばしば。そしてとある研究者の提言により、彼は某施設へと移された。猫との魂の融合の影響で彼は尋常ならざる怪力と敏捷性を有していたため、兵器として利用されようとしていたのである。11の時にその施設を脱走したが、中途半端な教育のために完全にその凶暴性を制御できるまでには至らなかった。そのため自らの血を見ると理性を失い凶暴化してしまう…という性癖が今でも残っている。 脱走後しばらく一人(と一匹)でフラフラと彷徨っていたが、ある時一人の男に拾われた。その男は名前もろくに覚えていなかった少年に、「祇王」という字を与えてくれた。最初こそ警戒していたものの、程なく祇王はその男――半蔵の後ろをくっついて回るようになる。そして半蔵が所属していた傭兵団を抜けた後も、彼にくっついて共にしばらくの間あちこちフラフラと旅を続けた。そうして祇王は徐々に人間らしさを取り戻していった。 一年ほど前に半蔵と分かれた後、祇王は再び故郷のフォレスタに戻って来た。そこでストリートファイトまがいのことをして日銭を稼ぎ、友人達との出会いもあり……。ある時祇王は追われている一人の少女を助け、それがきっかけで彼女と共に(半ば引き摺られて)アルビオンへと渡った。そこで彼らはパーティを組むこととなる仲間たちと出会う。 以来アルビオンを拠点に、彼らは今日も賑やかに冒険を続けている。