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    • 1 (2017-06-18 (日) 00:45:45)

カルフォード メモ

公女への想い

気づいたのはお忍びに出るようになってちょっとした頃。 8歳~10歳くらいだったと思います。 他の少年たちがあの子がいいこの子がいいとか話してるのを聞いてて、(ルイスの方が可愛いよナァ)とかぼんやり思ったりしててそんな感じで。 この頃にはもう血が繋がってない事知ってて、だから好きって気づいても何の疑問も思わなかった。 妹はまだ知らなかったから、無邪気に懐いてきてくれてたりして、それが嬉しかったから、多少の戸惑いは感じつつもフツウに仲良しだったと。 そしてだんだん、キモチは成長していきます。

ちょっとしてから、状況はもっとずっと複雑だったって事に気づきます。 事実上は血が繋がっていなくても傍から見たら兄妹であり、結ばれることは許されないのだと。 血の繋がりが無いことは彼ら家族にとって絶対的な秘密であり、それは決して知られてはいけない。 それくらいのことは幼いながらも確りと理解してました。 妹にしても、もし自分の気持ちに気づいたら困るだけではないのかと。 だけどこの頃にはもう気持ちは大きくなりすぎていました。 だから悩みます。悩んで悩んで、忘れようとします。 それが13、4歳の頃。

公女に対してもこの頃から冷たくあたるようになってしまいます。 想いを伝えることができないのなら、言っても困らせてしまうだけなら、いっそ嫌われてしまえばいい。そう思っていたのかもしれません。 そうは言ってもやっぱり公女の淋しそうな表情を見るのは辛い。 だから極力、避けてしまうようになりました。

14~5歳の頃は公子荒れてます。 時間があれば、そのほとんどを街に出て過ごしていました。 公女を忘れるために、別の女の子と付き合う……なんてのもあったかもしれません。 それでも、やっぱりどうしても、想いを断ち切ることはできず……。

そんなある日、公子大怪我をしてしまいます。それこそ死ぬ程の。 生死の淵を彷徨ってなんとか生還したワケですが。 その、死を垣間見た瞬間に脳裏に浮かんだのは公女でした。 そうして公子は悟ります。 「自分は決して公女を忘れることなんてできない」ということを。

忘れられないのなら、一生この想いを抱えて生きていこう。 彼女が誰の許に行こうとも、幸せでいてくれるならそれでいい。 そしてこの時、公子は生涯独身を通すことを決めました。

それでも年頃になると、公子のもとにも縁談が来るようになります。 だからといって真実を告げるわけにもいかない。 相手のことを愛せないと判っていて、その上で婚約なんてのは相手に失礼だ。 公子はそう考えて、断り続けました。 だけどそれも続くとやがて不審に思われ始めます。

そんな折に舞い込んできたのがアストライアさんとの縁談でした。 彼女もまた、望まないのに周囲から結婚を勧められていました。 周りの目を誤魔化すために。これ以上煩わしい縁談を持ち込ませないために。 互いに利害の一致した二人は同盟を結び、表向きの婚約を交わしました。 だけどそれも一時的なごまかしにすぎない。 せめて、公女が誰かの許に嫁ぐまでは―――そう考えていたのかもしれません。

だけど唐突に変化は訪れます。すなわち、公室の血の秘密の暴露。 陰謀と策略が入り混じり、今までに無く緊迫した空気が漂う公室。 そんなピリピリとした空気の中、公女は心労で倒れてしまいます。 時間を見つけて彼女の看病をしているうちに公子は、次第に公女との心の距離が近くなってゆくのを感じました。

色んな経緯・理由から、公子は家を出ることを決意しました。 誰にも告げないで去るつもりだったけど、最後に一目逢いたくて、公子は公女の部屋を訪れます。 別れを口にした時、公女がこぼした一筋の涙。 それを見て思わず彼女を抱きしめてしまいます。 そうして告げてしまいます。10年間、誰にも言えなかった自分の想いを。

公女もそれに応えてくれました。 そして二人は約束します。 いつか必ず迎えに来ることを。それまで待っていることを。 そして最後に公子は、自分の指輪を公女に託しました。

過去

14~16歳くらいまで公子荒れてました。 でも荒れてたと言っても家庭内暴力とか補導されたりとかは流石にありませんが。一応公子サマだし。 家族の前ではイイ子でした。むしろ他人行儀だったカト。 勉強とかもちゃんとやって。説教する隙も与えないくらい。 悩んでるコトあっても何も言わない。苛々したら外で発散。

家族の人も「様子がおかしい」コトには気づいてて心配とかしててくれたかもしれないけど、多分実態は知らなかったと。 訊かれても笑顔で「何も無い」とはぐらかします。

この頃あんまり家の人とも関わらず、無表情で冷たいオーラ出してること多かったと思います。 心の底から笑うことは、多分この時期無かった。 愛想笑いがずいぶん上手くなりました。

その分外ではもう好き勝手やってました。 悪いコトもいっぱい。家族には言えないような事も。 でも足がつくようなことはしませんでした。 正体も無論キッチリ隠して。徹底的に抜かりなく。 今から考えると別人なくらい、隙が無かった。 「家族にだけは迷惑かけない」 自分で決めたその事だけは、しっかりと守っていました。

これから

公子が家を出た理由として一番大きいのは、「兄に公位をついでもらうため」ということです。 色々言われてはいるものの、彼自身に公位を継ぐ気は全くありません。 だけど周囲はそうは見てくれず、事あるごとに彼を押し上げようとしています。 そんな状況を兄が面白く思うはずも無く、仲の良かった兄弟の溝も次第に深まっていきました。 いずれ兄が無事に公位を継いだとしても、何らかのしがらみはきっと残る。 兄にこれ以上煩わしい思いをさせたくない。そう思ったのも理由の一つでした。

幼い頃からの夢はただ一つ。「兄の補佐をすること」で、それが消えてしまった今となっては、何をしたらいいのか分からないというのが現状。 先の見えない状況だけど、公室にはもう戻るつもりはありません。 そのうち落ち着いたら、家族に会いに戻りたいとも思っているけど、そのまま公居に落ち着くということはおそらく無いと思います。 公子頑固です。一度決めたらかたくなに自分の意見を変えようとしません。

公子にとって一番の泣き所は公女様。 彼女との仲は何を置いても秘密にしておかなければなりません。 このことが知れたら、第一公子派にしろ第二公子派にしろ、彼を思い通りにするために公女を人質に取る―――ということもありうるワケで。 だから絶対に、知られるわけにはいかないのです。

安全策をとるならば、公女に逢いに行ったりしなければいいのですが。 10年想い続けてやっとで実った恋。そう簡単に割り切れるはずも無く。 だから結構ちょくちょく逢いに行ってるのかも。無論細心の注意は払ってはおりますが。 だけどもし、公女の身が危険にさらされるようなことになったとしたら、相手が尊敬する兄であろうとも愛する国であろうとも全てを敵に回しても辞さない覚悟でいます。 例えその先に待っているものが破滅のみだとしても。

とはいえ基本的には争い事も揉め事も極力避けたい人なので。 できればこのまま、何事も無く過ぎていけばいいと切に思っています。 兄が無事公位を継ぐまでは、何が何でも逃げきるつもりで。 臆病者だとそしられてもいい。公家の歴史から抹消されることになったとしても構わない。 ただ、今までのように平和な国であってくれること、それだけを望んでいます。 叶うならばどこかで公女と静かに暮らしたい。 今はただ、その二つだけが公子の願いです。

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