架柊が四光の里を出奔してから二年後、今から三年前に架柊と小葉は出会いました。 小葉は鬼姫としての仕事の最中で、力を行使しているところを見られたために掟にしたがい架柊を消そうとします。 でも何故か架柊に力は通用しませんでした。 家を滅ぼした鬼に印をつけられていた架柊は、鬼の力を無効化してしまう体質となっていたためです。 一方架柊の方も小葉と出会って衝撃を受けます。探していた敵の鬼とそっくりな波動を、彼女の中に感じたからです。 それから二人は行動を共にします。 架柊は敵の鬼を見つけ出すため、小葉は長いこと縛られていた柵から逃げ出すために。
小葉が縛られている鬼姫という鎖は、彼女の里にずっと続いている風習。 代々鬼の力を持つ娘が存在する…というものですが、実のところこれは全て小葉自身です。 数百年前からずっと、鬼姫として生まれ鬼姫として生き、若くして亡くなりそしてまた新たな鬼姫として生まれる。 無論生まれる前の記憶などは覚えていませんが、鬼姫と呼ばれた娘は全て同じ魂を持つ者、でした。 根本を辿ればこの鎖にはとある理由があるのですがまぁそれは此処ではあまり関係ないのでおいといて。 一連の鬼姫の魂は、一人目以前にはまた別の姿をしていました。
ずっとずっと昔(おそらく三百~四百年ほど前←適当)、二人きりの純粋な鬼の兄妹が居ました。 仲のよい彼らはずっと一緒でしたが、あるとき妹鬼が人間の手によって殺されてしまいます。 兄鬼は当然怒り心頭、妹に手をかけた人間たちに復讐します。 その後妹の魂を探しますが、どれだけ探しても見つけることはできませんでした。 殺された妹鬼の魂は、天に昇らず地にも留まらず、一人の人間の娘の中にとりこまれていました。それが鬼姫。 以後数百年間、兄鬼は妹を探し続け、妹鬼は人間として生死を繰り返していました。
兄鬼の人間に対する憎しみは消えることなく、幾度と無く人間を手にかけ、そして次第に力を増してゆきます。 そして数年前。強大な力をつけた鬼が滅ぼしたのは、鬼内でもあまり近寄る者の居ない、四光の里の鳳桐家。架柊の家族でした。